速いとかドリフト出来るではなく、本当に運転が上手いのは上級ドライバー
JR福知山線脱線転覆事故は
回避可能だった
回避可能だった
高速道路の直線でハイスピードで気持ちよく走っていたら、予期せぬ急カーブ(高速道路では300〜400R)が現れました。ハイスピードのレベルや個々の自動車の絶対性能差がありますから一概には言えませんが、安心して曲がれると思えばブレーキペダルは踏みません。「ちょっと怖いな」と思えば少なくともアクセルを緩めるかブレーキペダルに足をのせるでしょう。「やばい!」と思ったらどうでしょう。あなたは全力でブレーキを踏みませんか? パニック状態では、まず止まろうと考えるのだと思います。
一般的なドライバーは、それが普通で誤りではありません。ところが私をはじめとする高速自動車運転士(レーサーとも言います)は全力で曲がろうと考えるのです。
プロは上級であるべき
プロドライバーとは一般的に職業ドライバーのことを言います。仕事として運転を行う人の事です。つまり電車の運転士もプロと言えるのです。つまりプロドライバー(運転士)は高度な運転技量のある方のことではなく資格があるとか運転する職に就いている方のことを指します。もちろん志高く日々努力して、プロと呼ばれるに相応しいスキルを身につけている方もいらっしゃいます。しかしながらパニックに陥るような状態でも冷静に運転操作を行うには訓練を経た精神力が必要です。そのような訓練を受けているプロドライバーは残念ながら極めて稀なのです。ですから、スキルではなくデバイスによってパニック状態になる事態を未然に防いでいます。
私たちプロレーシング(ドリフト)ドライバーは常に極限状態における運転を訓練しており、私は上級ドライバーと命名しています。
運転士は上級ではなかった
結論を書きます。
電車の限界スピードコーナリング時の操作である適切な加減速ができなかった運転士はプロとして未熟だったのです。もし事故現場の緩和曲線において、冷静なブレーキ操作で駅に停車する際に求められる滑らかな操作を行っていたのなら、あの事故は起こりませんでした(当該電車の300R限界コーナリング性能の証言に基づく推論)。
これを上級ドライバーに置き換えてみましょう。
モノ(タイヤ性能や最新デバイス)に頼り過ぎて、自らのスキル(技術や知恵や心)を磨かないドライバーが多い中で、運転技術を磨き、思いやりを持ち、常に安全(事故防止)への意識を持っているドライバーは上級なのです。自動運転によって100%事故が回避できる時代が来るまで、個々のドライバーは上級ドライバーであって欲しいと願います。少なくとも「車が好き」「運転が好き」と言う方には、上級ドライバーを目指すことを、ゴルファーがシングルプレーヤーを目指すのと同じように考えて頂けるように、究極の運転操作を極めるドライビングレッスンを続けて行きます。
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