速いとかドリフト出来るではなく、本当に運転が上手いのは上級ドライバー
Driving Technic 皆伝
ドライビングテクニックの意味するところは、運転技術と運転能力。前者はクルマを手足のごとく操る様々なノウハウ、後者はクルマのコンディションを掌る事とクルマを走らせる上での瞬時の状況判断力を意味する。その能力を最も生かすことの出来る場所は、クルマの限界性能を引き出せるサーキットであることに異論はないだろう。ではクルマの限界性能を必要としないストリートならば、ドライビングテクニックにも限界能力を必要としないことは自明の理。しかし限界性能を引き出すことを目的としなくても、その経験がストリートにおける予期せぬ事態に役に立つことがある。
自動運転が現実化する今こそ
20世紀から21世紀にかけて、サーキットが「レースやテストをする場所」から「スポーツドライビングを楽しむ場所」へと徐々に変わり、サーキットでなければ限界性能を引き出す機会のないスポーツカーも多くなった。モータースポーツのパブリック化により「サーキットの環境」が「ストリートの環境」に歩み寄ってきたとも言えるのである。ならば今まで別々に考えられてきた「サーキットを走る事」と「ストリートを走る事」をもっと融和させてもいいような気がする。ドラテク皆伝の意味するところは、ドライビングテクニックを伝える事、サーキットスポーツを身近にする事、ドライバーをカッコよくする事である。サーキットを走ることなど考えた事もない方からレーシングドライバー、ドリフトマイスターを目指す方まで多くのドライバー達に伝えたい。
序章その1
「男性の仕草で女性が一番ドキっとするのは運転中にバックする時」というアンケート結果がある。助手席に片腕をかけて後方確認しながらバックする仕草。理由は助手席に座る女性が肩を抱かれるような錯覚に陥ること、また後方を振り返る男性の首すじがセクシーなのだという。しかし、うっとりと彼氏を見つめるはずの彼女の目には、いつまでも車庫入れ出来ずに前進・後退を繰り返す男性の姿がどのように写るのか。
「男性を頼りなく思うのはどんな時?」の質問の中に「車庫入れがなかなか出来ない時」「ドライブ中に道に迷って動揺している時」というのがあるそうだ。やや矛盾も感じるアンケート結果だ。バックミラーを見ながら正確なバックが出来るドライバーの車両感覚をもってすれば、後ろを振り返りながら直接目視でバックするのは容易なこと。つまり彼女とドライブの時だけ助手席に手をかけて、一発で車庫入れを決めればよい。
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